人生で大切な歌、ありますか?
人生で出会う歌は、数多くあり、それぞれに思い出や、思い入れがあるものですが、私の場合、まずは迷わずこの歌を答えます。
カーペンターズ
『Only Yesterday』
この歌に出会ったのは、高校2年生の時でした。
その時、既に高校へ行かない日が増えてきていた時期で、その日も、英語の授業に出ておかないと、単位が取れなくなるという理由で、登校したのを覚えています。
何もかもがどうでもよくなっていたので、授業も全くの上の空でした。
しばらくすると、先生がカセットレコーダーの再生を押す音が聞こえました。
そして流れてきたのが、この曲でした。
After long enough of being along
Everyone must face their share of loneliness
In my own time,nobody knew
・・・
恐らく、授業前半で、この歌詞の意味を勉強していたのだと思うのですが、上の空だった自分には、歌詞の内容はよくわかりませんでした。
ただ、その時、意味が分かるかどうかはどうでもよかったのだと思います。
まずは、その歌声に引き込まれていきました。
いわゆる「きれいで透き通るような歌声」ではないのに、心に染み込んでくるこの感覚は何だろう…
しかも、物すごく力強く歌っているわけではないのに、声を聴いている間中、心の中にずっと流れ込んでくる、この存在感は何だろう…
そして、サビの部分
Only yesterday when I was sad and I was lonely
You showed me the way to leave the past and all its tears behind me
Tomorrow maybe even brighter than today
Since I threw my sadness away
Only yesterday
当時は、ただただ聞き入ってしまうという状態でしたが、今振り返ると、知らない歌手の、初めて聞いた曲で、こんなに感動するものなんだと驚かされます。
音楽の力は偉大ですね。
あと、歌詞の意味が、はっきりと分からなかったというのも、結構ポイントだと思います。
ネットを検索すると、歌の訳が出てくるのですが、読んでみると、どうもどれもしっくりこなんですよね…
音楽というのは、聞く人それぞれの置かれている状況や、心理状態によって、様々な現れ方をするものだと思います。
聞く人によって感じ方は千差万別なんです。
「訳す」という行為を入れてしまうことによって、聞いているその人だけにしか感じ得ない大切な何かを壊してしまうような気がします。
あの時、先生が自分の状態を気にして、励ますつもりでこの曲を授業に取り上げたのかどうかは分かりませんが、自分にとって、人生の大切な歌になったのは間違いありません。
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